日本の産業界のなかでも、IT業界は人気の就職先である。事務職をのぞいた職種ではプログラマーやエンジニアの人気が高く、人材不足で悩む企業もある。プログラマーやエンジニアは一般的に大学などで専門的な教育を受けた者が就ける職種であるが、企業によっては大学の文系学部を卒業した者、つまりIT関連の専門教育を受けていない者でも採用する事例がある。

これは未経験者であっても一定のレベルまで引き上げる研修制度があることを意味する。人材不足の影響もあり、広く人材を採用して事業を進行させたい企業の姿勢が示されているといえよう。文系学部を卒業予定の者やIT系ではない職種から転職を考えている者でも、プログラマーやエンジニアになれる可能性はある。

研修制度が充実している企業は、IT業界で働きたい者にとって心強い存在だ。しかし無事に採用されたとしても、気楽な環境とは限らない。研修の内容は企業によって異なるが、予習や復習を適切に行わないとついていけないおそれはある。向上心や積極性がないと同僚との差が広がってしまうかもしれない。

こうした状況は、専門教育を受けて就職した者でも同じだ。IT業界は技術の進歩が激しいため、学習が欠かせない。プログラマーやエンジニアとして一定の実力を維持したいのであれば、経歴を問わず学習が求められる。厳しい環境である一方で、ある程度の実績があれば勤務先から独立して個人事業主として活動することも夢ではない。